【声明】「新しい日本大学をつくる会」の記者会見について

【声明】「新しい日本大学をつくる会」の記者会見について

私たちは、「新しい日本大学をつくる会」の記者会見について、以下のとおり、声明を発表いたします。

現在、大学のみならず、中学、高校を含めた部活動においてのパワハラ問題が、毎週のようにニュースとして取り上げられています。

一体なぜ部活動において、このようなことが起きるのでしょうか?

我々はその理由を「第三者によるチェックがないから」と考えています。

例えば企業においては、それぞれ分野は違いますが「株主総会、税務調査、労働基準監督署の調査」等の第三者によるチェック機能が働きます。これが、こういうことをしてはならないという「抑止力と教育」の両方の役割を果たしています。ところが、部活動(スポーツチーム全般含む)にはこのような「第三者によるチェックの機会」がありません。

どうしても人々の関心は、勝ったか負けたかの結果に対して集まってしまいます。私立においてはスポーツが強いことで生徒が集まるという、学校経営の部分に直結してしまう背景もあります。

これらを通して、指導者は「勝たせる」ということに強い焦点があたりがちですが、自身が日常的に行っている指導の中に、問題の芽となる言動がないか、指導者自身も気づく機会が少ないのが実情です。

かつては「当たり前の指導」とされていたことであっても、今では問題となり選手を傷つけ指導者の地位を落とすことは多々あります。

また今回の記者会見は、実際に大学で働く複数の教職員自身が、大学のイメージが傷つけられ精神的苦痛を受けたとして、行動に移す結果となっています。

つまり「一部活動の問題が、学校全体の問題に発展した」のです。

我が国において部活動は「課外活動」という位置づけですが、今後は学校全体のガバナンス問題として、世の中から問われることになります。

新元号の令和となり、日本の大学スポーツ界においても、日本版NCAAである大学スポーツ協会(UNIVAS)発足元年です。

素晴らしいスポーツ指導のもとで、選手が競技力を高めるだけでなく人間的にも大きく成長できる仕組みを作る時がきています。

我々は選手側にも、指導者側にも偏らない中立な立場として、スポーツチームにおける第三者チェックの重要性を、世の中に働きかけて参りたいと思います。

2019年(令和元年)5月8日

日本スポーツチームアセスメント協会 代表理事

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